

進化する働き方、変化するニーズに、
応え続けるデザインを。
イトーキとの出会いは大学院時代。ものづくりの現場を間近で見て「楽しみながら製品開発をする様子に刺激を受けた」と振り返る。現在、その一員として仕事に打ち込む浦上に、リアルな思いを聞いた。

浦上 貴一
Urakami Kiichi
プロダクトデザイン職
千葉大学の工学研究院に在籍中、新設される「千葉大学墨田サテライトキャンパス(デザイン・リサーチ・インスティテュート)」の空間づくりに参加。その中でイトーキと家具の共同開発を経験したことをきっかけに、2020年新卒入社した。
Question.01
現在の仕事とミッションを
教えてください
新製品のデザイン開発が主な仕事です。私はデスク関連の製品を中心に担当しています。社会情勢の変化やICT(情報通信技術)ツールの進化により、働き方やオフィスに求められる機能は常に変化しています。ですからプロダクトデザインにおいても、単にきれいですっきり見えるものを作ればいいというわけではありません。オフィスを取り巻くさまざまな変化から、新たなニーズを予測し、それらをデザインに落とし込むことで、次なる働きやすい環境をつくるのがプロダクトデザイナーのミッションです。
例えば、新型コロナの影響で急速にオンライン会議が普及しました。これがどのような状態で行われるのが最善かを検討し、開発したのが「Panora」というプロダクト。半円型の会議テーブルに、広角カメラと集音機能に秀でたマイクを設置したものです。オンラインとリアル、いずれの参加者も、対面のように自然にコミュニケーションできることを狙っています。

Question.02
この仕事で大切にしていることは何ですか?
会社や部署によって働き方は違いますし、ユーザーの体格や好みなども違うもの。すべての人が満足できる製品を作るのは、厳密には不可能でしょう。それでも、なるべく多くの人に気持ちよく使ってもらえて、普遍的に「好き」と思われる製品を生み出したい。
近年はオフィスにも「心地良さ」という視点が求められます。ですからオフィス家具のデザインでも、柔らかさを感じるカラーリングや形、木質感といった、棘がなく気持ちのいい要素を大切にしています。機能性も大切ですが、感覚的な「好き」が宿ることで、使う人の気持ちもポジティブに彩れるのではないでしょうか。
デザインの過程では、上長や他部署の方にヒアリングをしたり、他のオフィスの納入事例を参考にしたりと、自分一人の考えに閉じこもらないようにすることも心がけています。

Question.03
これからのビジョン・夢について教えてください
入社4年目ですが、プロダクトデザイナーとしてはまだ1年目。先輩や上長から考え方や手法を学ぶ日々です。そのなかでも自分なりの視点や考え、デザイン案を持つようにしていますし、それを発信したり、引き出しとして蓄えたりできるよう心がけています。
まずは自分が最初から最後まで関わった製品を増やしていきたいですね。現在構想しているのは、机や什器を固定せず、時と場合に応じて自由に組み合わせたり、収納したり引き出したりして使えるプロダクト。それだけでは空間を雑然とさせかねないので、家具群の中には旗印になる存在をひとつ設け、自然と空間全体の統率が取れるようなものをイメージしています。
これからもオフィスのあり方やトレンドは移り変わっていくはずですし、ICTツールもさらに進化していくでしょう。常に時代を先取りしながら、『明日の「働く」を、デザインする』を実践していきたいです。

※所属部署・役職は取材当時のものとなります