

道なき道を切り開き、
未来の「働く」を探求する最前線。
入社前からの念願だった現部署(旧 健康ソリューションチーム)で、オフィス家具メーカーとしては前例のない事業領域に挑む寺岡。試行錯誤を重ねる先に思い描く未来とは?

寺岡 宏章
Teraoka Hiroaki
事業開発職
大学では建築とインテリアを学び、人間工学の研究室に所属。高校時代に体調を崩した経験から「健康を損なっては働けない」と痛感し、イトーキが他社に先駆けて着目した「健康ソリューション」に惹かれて2018年に新卒入社した。
Question.01
現在の仕事とミッションを
教えてください
イトーキでは、オフィス家具やオフィス設計にITやDXを掛け合わせ、働き方やオフィス空間を最適化する「オフィス3.0」を推進しています。その中心となる部署の一つが、私たちソリューション開発部。加速し続ける時代の変化に合わせて、オフィスをスピーディーに、かつデータに則って改善する製品を開発しています。
これまでに手がけた製品の一つが、「Performance Trail」というクラウド型アンケートサービスです。従業員が十分にパフォーマンスを発揮するためのシステムで、私は市場調査からニーズの分析、企画開発、システム制作のマネジメント、保守運用まで一貫して担当しています。プロジェクトは2019年に立ち上がり、まずはオフィスでのパフォーマンスについて1年ほど研究を行いました。しかし開発に移行しようとした2020年、コロナ禍がよって日本中の働き方がガラリと変わってしまいます。そこで新たな働き方をさらに1年研究し、ブラッシュアップ。社会の変化と正面から向き合ったプロジェクトとなりました。苦労が大きかっただけに、リリースした時の感慨もまた大きかったです。

Question.02
この仕事で大切にしていることは何ですか?
「何事も自分で開拓する」という意識、そして「経験のないことを恐れない」という姿勢を大切にしています。この部署が挑んでいるのは、イトーキの130年以上の歴史のなかでも前例のない事業領域。ノウハウの蓄積がないのです。研究や開発においては、大学の先生やスタートアップ企業など、社外の有識者に協力をあおぐことのほうが多いほど。開発を進める上でも、モデルとなるプロセスや承認フロー、品質基準などがありませんから、都度ゼロから考え、提案する必要があります。
本音を言うと、ふとした瞬間に怖気づきそうになります。この企画は、本当にこの方向でいいのだろうか。面識のない大学の先生に専門的な理論を伺うときなど、メールを打つ手が重くなることもあります。それでも自分を奮い立たせて進んでいけるのは、世界のどこにもないものを作る面白さがあるから。「このサービスがあれば、世の中が少し良くなるはず」。そんなワクワクした気持ちもまた、常に持ち続けられる仕事です。

Question.03
これからのビジョン・夢について教えてください
オフィス環境から自然にデータが吸い上げられ、それが働く人たちのために生かされるような世界を目指しています。たとえば、チェアに座る人の集中度や疲労感などをデータで示すような技術も可能になっていますので、それを活用した新しいオフィス家具や店舗空間の開発を進めています。
データをとる目的は、決して執務状況を監視したり、管理や評価をしたりすることではありません。その人がどういう時にパフォーマンスが低下し、何をすれば向上するのか、データの力を借りて解き明かし、快適性の向上やセルフケアなどに役立てていただくためです。ポジティブにデータを活用し、働く人を支援する。これはすべてのプロジェクトにおいてポリシーとしているところです。
いずれは自分でゼロから企画した製品、サービスを世に送り出すのが目標です。世の中を眺め、生活や仕事を通してひらめいたアイデアから、『明日の「働く」を、デザインする』を実践していきたい。これからも挑戦は続きます。

※所属部署・役職は取材当時のものとなります